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フライタイイング


 

スイミングフライの考え方

 

泳ぐフライにはいろいろな考え方があります。

まず、代表的な物を例に挙げますと、リップ付きフライです。

リップが付いていて、それが受ける水の抵抗で、フライが泳ぐ。

ルアーと同じ考え方です。

しかし、その考えでは、フォルスキャストした時に、空気抵抗で回転したり、飛距離が伸びないという事が起こります。

 

それに、フライらしくないですね。

リップ付きは、格好悪いので私はあまり好きではないのです。

 

そこで、リップという抵抗物を取り付けなくとも泳ぐフライを製作することは出来ないのか!

 

考えました!

 

これは、1998年くらいのことです。

 

フライを泳がすということは、フライに動きを与えることです。

 

どうしたら動きが与えられるのか!

 

そこで、考えられるのが、フライの安定と不安定です。

 

安定して泳ぐフライもあれば、逆さまになってしまうフライもあります。

 

これはどうしてなのでしょうか?

 

そこの部分を、突き詰めていけば、安定と不安定をミックスして、ローリングアクションのフライが出来るのではないか!

 

そう考えたのです。

 

この図はフライフックの沈下していく時の状態を描いた物です。

 

フライフックは、沈下させますと逆さまになります。

 

これは、全体のバランスからそうなってしまうのです。

図の青い線がバランスの中心部分としますと、

ベンド部分が重くなりますから、フックは逆さまに沈下していくのです。

ニンフフライもこのことを考えに入れ製作しないと逆さまに沈んでいくのです。

 

 

 

 

赤丸で囲った部分の重さの関係です

 

 

そこで、どの様にしたらこの形で沈んでいくのかを考えますと、

ドレッシングです。

 

このようにドレッシングをしますと、全体のバランスの中心線が変わり、

金属のフック部分が下になります。

すると、安定してこの形のまま沈んでいくのです。

リトリーブした場合も同様です。

 

 

このような形にはならないのです。

 

 

キールフライを製作しようと考えた時

図7のようなドレッシングでは、キールにはなりません

そこで、図9のように、ドレッシングしますと

バランスはフックのベンド側が重くなり

キール状態になります。

 

そこで、キールフライにハックルを取り付けてみます。

すると、どうなるでしょうか?

 

バランス線はAの位置からBの位置へと変わります

 

 

 

すると、バランスが崩れ、逆さまもしくは 横になって 沈下してしまいます。

 

キールフライを製作したつもりなのですが、フライが横を向いてしまう。とか

逆さまになってしまう。という場合は、このバランスが安定していないからのです。

 

 

フックシャンクにマテリアルを付けた場合も同じです。

ボディの抵抗が大きくなり、バランス線がAからBへと移動してしまい

横になったり、この形状の逆になってしまうのです。

 

全てがバランスの問題なのです。

 

バランスを良くする方法として、

フライをキールにして、

フックシャンクの下側にウエイトを付けてみます。

すると、ブルーのバランス線は、レッドの位置へと変わり

安定してきます。

この状態ならば、逆さまになりにくくなるのです。

 

 

次に考えることは、沈下ではなくリトリーブです。

 

先ほどの、沈下と状況と同じように、マテリアルのボリュウームと抵抗で、バランス位置が変わってきます。

この図のようにボディが太くなりますとその部分の抵抗は大きくなります

 

 

 

また  10の図に ハックルなど抵抗の大きなものを取り付けますと

バランス線は下がり、

逆さまになってしまいます。

 

 

そこで、考えなければならないのは、

沈下のバランスと

引っ張り抵抗のバランスを変えることなのです

 

沈下で求めるバランスは、安定した物を求め、リトリーブした時の抵抗バランスを、不安定な、逆さまになるようなバランスを求めていくのです。

 

 

 

キールにして、安定出来るようにウイングを付けます。

 

 

さらに安定するように、ウエイトをシャンクの下に付けます

 

次にリトリーブした時に、不安定になるようにハックルを付けるのです。

 

そして、このときに、フライのウエイトも、細い物ではなく

少しでも抵抗が出るようにと、水流抵抗を受けるとバランスを崩しやすいように

台形にするのです。

 

 

すると、このフライは、沈下の時は、キールになりやすく

ウエイトを入れたことにより、速いスピードで、キールになります。

 

しかし、リトリーブを行うと、ハックルが抵抗を受け、バランス位置が変わり

逆さまになろうとするのです。

そして、リトリーブをし終わった瞬間に、バランスは沈下モードになり

キールになるというわけです。

 

そう!

リトリーブを強く行った瞬間にローリングする!

 

動くフライが完成するのです。

 

ここまで深く考えてきたフライはあったでしょうか?

 

 

ここ最近、ダブルハンドのエキスパートといわれる方々が多いようですが・・・・・・・

 

これは、最近の考えではありません。

 

もう10年も前、考えた事なのです。

 

 

 

このフライは、その時代に大活躍したフライです。

 

バランスを崩しやすいように、ワイドゲープのフックを使用しています。

 

ムチャクチャに釣りましたね!

九頭竜川で、他の方が釣りをしていて、釣り下るのを待ち、その後から

 

このフライを使用しますと、面白いようにヒットしてくるのです。

 

人の後からでも釣れる!  泳ぐフライ!

 

私たちの仲間の一部の人しか教えなかった 極秘フライなのです。

 

一度、豊橋の浜口君にこのフライを使用され、私がチェーリーボムで釣り下った直後、65cmの素晴らしいコンディションのサクラマスを釣られまして、このときが、私は後から来た人に釣られた、最初時だったのです。

未だにそれ以外無いですが、このときはショックでしたが、どんなフライで釣ったのかを聞いて、悔しいやら嬉しいやらで、複雑な気持ちでした。

それがこのフライなのです。

その他、いろいろな場面で、この考えで製作した、泳ぐフライは大活躍をしました。

 

ある程度のサイズの石がある川底で、このフライを川底ギリギリにスイングしますと、その石により強弱の複雑な流れに反応しこのフライは面白いくらいフラフラとローリングするのです。

 

 

 

 

これもその考えで製作した、フライです。

スクイレルボム

これは実際に九頭竜川で63cmのサクラマスをヒットさせたフライです。

サクラマスとかの遡上魚は、毎年海から新しい魚がきますから、

スレるということは、よほど無いのです。

それほど釣り人も多くないですからね

同じパターンを製作し、ロシアでも同じ結果が出てくるのです。

 

 

そんな考えで、新しい釣り方、新しいフライを実証させるためにと、毎年ロシアのサクラマスを釣りに行っていたのです。

魚が居なくては、結果は出せませんからね。これがシルバーサーモンではダメだし、北海道の小型のサクラマスでもダメなのです。

大型のサクラマスには、大型にしかない行動パターンがあるのです。

そんなこともあり、九頭竜川でサクラマスを釣ったフライはほとんど資料として大切に保管しているのです。

 

これは、宝ですからね。

67.5cm 4kgのサクラマスをヒットさせたフライも入っています。

このフライは泳ぐフライばかりではありませんが、

まだまだいろいろな 秘密のパターンがあるのです。

 

 

話はそれましたが、

泳ぐフライを製作するのに必要な物として、

太いレッドワイヤーが必要なのです。

上の写真のフライは、全て 100%このウエイトを使用しています。

 

通常は、台形にして使用。

 

 

 

このフライは、先にも述べましたが

バランスが重要で、

リトリーブをした時にバランスを崩すようベストな抵抗が必要なのですが、

それは釣り場の状況、川なのか湖なのか  急流なのか緩流なのか

その条件により変わってきます。

 

このフライ、タイイング当初は、ハックルの部分のマテリアル

 スクイレルテールが、かなり多い状態でした。

 

そのまま使用しますと、フライは横を向いたままの状態になります

そこで、クリッパーでカットして、そこの釣り場の状況に合わせた量にカットしていくのです。

 

 

川ならば、流れの中に入れリトリーブをしてテストし、どの様な形になるかを見て、

引くと抵抗が掛かり横を向き、ゆるめるとキールになるよう、手直しをしていくのです。

 

ストリーマの釣りを、徹底的に研究してきた結果、この理論が生まれたのです。

 

九頭竜川の横にアパートを借り、毎週かよったあの十数年、

いろいろなことを研究し、発見してきました。

 

 

 

サクラマス用ではなく、トラウト用に、小型のストリーマでもこのフライは製作出来ます。

 

この理論は、私の持論ですが、

皆さんも是非、試してみてください。

 

 

ローリング・ストリーマのタイイング& ウエイトのカット方法