kencube


寄付放流

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2006年 11月21日に、発眼卵が石川県の水産試験場から到着し、 いろいろな装置を作り、孵化させ、

連日餌を絶やさないようにと、毎日毎日世話をして、稚魚はだんだんと大きくなり、順調に育っていきました。

そして、4月には家の小型の孵化水槽から、大型の池への移動。

そして、5月には、山の養鱒場への移動と、育てていくのにとても大変な作業でした。

でも、順調に育っていく稚魚を見ていると、かなりかわいく見えてくるのです。

台風なども来て、かなり心配しましたが、無事に大きく育ってくれたのです。

 

10月になり、この稚魚たちが、銀毛をしていたならば サクラマスとして帰ってくるようにと九頭竜川への放流を予定し、

パ−マークが出ているヤマメならば、渓流に寄付放流をしようと決めていました。

 

 

今回育った稚魚たちは、全てがパーマークのある魚体、ヤマメになったのです。

そこで、九頭竜川への放流を諦め、いつも通っている蒲田川への放流を決定しました!


蒲田川へ 約1,100 匹 放流
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今回放流するにあたって、宝山荘の浩二さんに依頼して、まず漁協への放流許可を得て、日時を決定し、放流するときに背負う放流かごをお借りしました。

 

 

温泉家族旅行

今回の放流にあたって、トラックの荷台へ大型の水槽を積み、そこへ1.5トンの水とヤマメを1,100匹 積み込むには、一人で行う事は無理だったのです。

そこで、考えたのは、“家族旅行” です。

向かう先は奥飛騨温泉郷! ですからね。

これは最高の手! と思った私は、早速に家内を「奥飛騨へ温泉旅行に行かない!」と誘いました。

家内からは、

「子供の学芸会が土曜日にあり、振り替えで日、月休みの時なら良いよ!」・・・・・・

一緒にいた子供は「温泉に行きた〜〜い!」と、大喜び!

 

「よし!行こう行こう!」

「ただしね。これトラックで行って、ついでに魚を放流しようと思うんだけど、よろしくね!」

そんな会話で、この温泉旅行が決定しました。

 

養殖している池から大型の網を使ってヤマメを捕獲するのも、一人では全く無理な作業でして、

そのヤマメを、計りに乗せ正確に総重量を計る作業もしなくてはならないのです。

さらには、トラックの荷台にある水槽へ、水と魚で35kg入った大型のバケツを持ち上げ積み込むのも、大変なのです。

これを11〜12回も大急ぎで積まなくてはならないのです。ゆっくりしていると魚は弱ってしまいますからね。

近距離の輸送ならば、大体の目安で積み込んで行く事もありますが、今回は長距離ですので、魚の総重量は正確に計測しないといけないのです。もし、多く魚が入ってしまうと、途中でバタバタと死んでしまうのです。

そんなわけもあり、この作業は一人では絶対に無理なのです。

でも、この重労働を家内に手伝わせるのもかわいそうな事ですが・・・・・他にいないから、しょうがないんです。

 

誰か友人を・・・・

そうも考えましたが、蒲田川までの距離は遠く、岡崎からーーー養鱒場ーーー蒲田川  片道5〜6時間を必要としているため、日帰りでは無理でした。

そうなると、宿泊経費まで出して、2日間も、「一緒に手伝うよ!」などと言う方は早々にはいませんでした。

 

今回の経費、支出は全て kencube からの寄付

そのことを家内に伝え、手伝ってくれる確約を取ったのです。


2007年 11月 11日 蒲田川へ

朝、8時に岡崎を出発し、養鱒場へ到着したのは9時でした。

そこから、網を張り、魚を捕まえ、水を水槽へ入れ・・・・・・・・・・・・・・

順調に作業は続きました。

 

そこへ、養鱒場のおじいさんが現れ、

「今日はヤマメを持ちに来たのか」

「はい、今から奥飛騨の川へ持って行くんです」と答えると

「遠くまで行くんだな!高く売れたのかね」そう聞かれ

「寄付で放流しに行くんです」こたえると

おじいさんは、かなり驚いて、

「経費も全て自分持ちで、わざわざあんな遠くまで持って行って・・・・・これ全て寄付か?」

「そんな事をよくやるな〜〜〜!」「ほ〜、驚いた!」

そう言われました。

精魂込めて育てて、川へ逃がして・・・・・・・・

「おじいさん、でも、この魚たち、もしかすると川で生き残って、子供を産んで、もっともっと良い川になるきっかけになるかもしれないしね」

「この魚たちが幸せになれるからね」

そう話をすると、おじいさんもこの放流にうなずいてくれました。

放流後に、釣り師に殺されないようにと祈る事だけです。

 

大忙しの作業に、写真など撮る間もなく、積み込み終了し、出発の時に気が付き、慌てて養鱒場の写真を撮りました。

 

この日に限って、天気は雨! 冷たい雨が降ったりやんだり!

家内にウエーダーを履かせ、カッパを着せ、重い水と魚を二人一緒に持ち上げ、時間との戦いの中、大急ぎでの作業は重労働でした。

無事に、予定通りに積み込みも終了し、一安心。

こんな格好をさせ、この重労働に文句も言わず付き合ってくれた家内に感謝・感謝です。

 

 

 

養鱒場から、高速のインターへ行き、東海北陸自動車道の高山インターを目指し、平湯トンネルを越え、蒲田川へ向かいました。

水は重く、高速道路でも最高速70kmしかでない坂もあり、後ろから乗用車にあおられ大変でした。

4時間半かかり、蒲田川へ到着したのは14:30。

地元の、宝山荘では、浩二さん始め青谷さん、その友人も集まってきてくださり、大急ぎで放流です。

長旅で一刻も早く放流しないと魚たちが弱ってしまう。

そんな思いで、半年ぶりに会ったのですが、挨拶も早々にすませ急ぎました。

 

 

 放流

 

 

 

魚達は生きているだろうか?

水槽の底にいくつかが息絶えて横たわってしまっているのだろうか?

そんな心配がありました。

蒲田川の河川敷に車を降ろし、川の真横に付け放流です。

雨の中、背負いかごに水と魚を入れ放流です。

 

 

 

 

次々に放流していきました。

場所を変え、中部大学ロッジ 近辺にも!

魚の質は、苦労して育ててきただけあり、最高です!

全てヒレピン!

大きなものは30cmを超えています。

平均サイズは20cm前後です。

 

総数量 約 1,100匹

1匹も死ぬことなく、無事に川へ放流する事が出来ました!

 

これで一安心!

 

この日は、宝山荘へ宿泊し、子供と温泉に入って、夜は浩二さんや奥飛騨ハムの青谷さん達と楽しい話で盛り上がり過ごしました。


驚き!  

 

とんでもない事が!・・・・

 

翌朝、おきて窓の外を見ると!

何と!

 

大雪です!

この時期に!

大雪なんて・・・・・・・

 

 

 

 

 

一夜にして、白銀の世界に変わってしまって大騒ぎ!

 

 

 

 

 

真っ白な世界に、子供は大喜びでしたが・・・・・・

 

 

 

トラックは空荷で、荷台に重量がないため、タイヤが空回りしやすいのです。

そしてなんと言っても、致命傷なのは、つるつるのノーマルタイヤ!

これでは、全く雪道を走れないのです。

無理して走れば、交通事故を起こしても当たり前の状態に、顔面真っ青!

子供は露天風呂に入って、ニコニコ・ルンルン

 

朝10時近くまで待ち、メイン道路の雪が他の車の通行で溶け出した頃、標高の低い神岡へ向かい、そこから41号線で高山へ・・・・・・

高速道路はチェーン規制がかかっていたので、そのまま下呂方面に向かい、

「下呂温泉の足湯でも入って帰りますか!」・・・・・・・・・・・

 

今回の放流旅行ですが、魚も私たち家族も、無事でありました。

 

一石二鳥の旅は無事に終了しいたしました。

 


皆様の魚です!

 

この鱒を育てた時間と経費、

魚代金

トラックの使用料金

水槽の使用料

酸素ボンベ料金

エアーレーションシステム使用料金

高速代金

ガソリン代

人件費

食費

宿泊費

考えてみると多くの経費がかかっていまして、

時価総額で 60万円近くになると思います。

 

その費用は、全て kencube ネットショップ の収益から支出させて頂きました。

 

すなわち、この放流は、kencube ネットショップ で 購入してくださった 皆様の 放流です!

 

皆様の魚が、蒲田川に泳いでいると思ってください!

来年、蒲田川でヤマメがヒットしたら「これは自分が放流した魚だ!」って思ってくださいね!

 

 

 

 

ただの釣り好き(プロ)ではなく、その生態から研究したく養殖を始め、

その魚が皆様のためになればと、今回の放流が行われました。

 

来年解禁したら、数多くのヤマメが蒲田川で釣れ、多くの皆様を喜ばせてくれる事を祈っています。

みなさんも、来年蒲田で釣れたヤマメはなるべく逃がしてくださいね。

皆さんの かわい〜〜いヤマメたちです。

 

 

kencube ネットショップ の収益は、遊ぶための物ではなく、釣りの研究のために使用していきたいと思っております。

 

 

今後とも、kencube ネットショップ  よろしくお願いいたします。