卵からの孵化

 

飼育日記

まず、卵を孵化させ稚魚を育てる設備として幅1200cmの熱帯魚用の水槽を使用し制作。
黒いゴミ袋で被い、卵に直射日光が当たらないようにしました。

この孵化装置は、KENCUBEの事務所にあるトラウト研究所(2.1m×5mの養殖槽)の中にレンガを置き、高さ調整をして設置。

養殖槽には、約18度の地下水が定期的に流れ込むようにしてあり、水深を20cmに調整し、そこへ孵化水槽を設置することで、外気温が低下しても孵化装置内の水温が低下しないようにした。
少しでも高い水温(鱒の適水温内)で、なるべく短時間で孵化させることを思っての考えです。

孵化の経験は全く初めてではなく、過去に違う方法で試したことがあります。

数年前ですが、岡崎を流れる男川に、約1万匹のアマゴを組合の許可を取り、寄付放流したことがありまして、その時の稚魚も全て自分で卵から孵化させたものです。
この時は、観賞魚用の大型水槽で飼育しました。 この時のように“循環水”での孵化は経験がありますが、地下水でのオーバーフロー式は今回が初挑戦です。

さて、どうなることでしょうか?

 

卵購入初日

2004/11/3  水温18.5°

ニジマスの発眼卵2万粒を購入。(卵は宅急便で簡単に誰でも入手できます)

卵は病原菌が付着していないようにイソジンで消毒してから水槽に移しました。

木枠を水槽のサイズに会わせて作り、ホームセンターで樹脂製の角目ネットを購入しそれを木枠に張りその中に卵を入れ、水が巡回できるようにした。

購入から4日目

2004/11/6 水温18.4

これは死んでしまった卵を取り出した時の写真です。

卵の中に白濁し変色した卵が見えます。それは死んでしまった卵で、そのままにしておくとカビが咲き始め、隣にある生きた卵までカビが移り次々と死卵が増えてしまうので、毎日、死卵をピンセットで取り出す作業が必要です。

その数は3日間の合計50粒前後。順調に過ぎています。

 

購入から6日目 孵化して2日目

2004/11/8   水温 18.2°

7日は仕事で見る時間がなかったのですが、8日の夕方水槽を覗いてみると、水面は泡ブクだらけ!

7日から8日にかけて一気に孵化し始めました。
孵化したときに出る卵の液体が、泡の原因です。鶏の卵のしろみと同じにおいがします。

しかし、養殖槽全てが泡ブクだらけ!卵ににおいが広がり、濾過が追いつかない状態。今回は養殖槽に他の魚が入っていないので、問題はないが今後はこの方法ではまずいので、新たな方法を考えなければならない。

購入から5日目 その2  孵化して2日目

2004/11/8  

最初の装置は、大失敗。
稚魚と卵が区別できず死卵の上に稚魚がいて、死卵を取り除くたびに稚魚が水槽へ落ち、最悪はオーバーフローして養殖槽の中に稚魚が出てしまうこともしばしば。

急遽、細かい目の網を張った木枠を制作し、水槽内に全ての卵と稚魚を入れ、水槽から稚魚が流れでないように仕様を作り替えた。

購入から11日目 孵化して7日目

2004/11/13  水温18.0 孵化してから1週間が経ちました。

        少しヨークサックが小さくなってきたような気もしますが、                      あまり大きな変化はありません。