kencube HP


2011年 5月5日出発にてFlorida キーズへ向かいます。


今回の旅の目的は、昨年と同様、

K・Bulletの世界発売への準備とターポンフィッシングの修行です。

 

ソルトウォーター フィッシングのメッカ アイラモラダ

ソルトウォーター フライフィッシングを語るならば、ここを抜きには出来ないほどのメッカなのです。

アトランティックオーシャンの、美しい透明度の高い水の中で、回遊するターポンを探し、

泳いでいく姿を見ながらフライで狙っていくこの釣りは、最高にエキサイティングなのです。

正確なキャスティングと強靱な精神力、体力が要求され、

シーズンに1本キャッチできるかどうかと言われるくらい、難しい釣りなのです。

たかが1週間くらいでは、なかなか難しく、これも修行なのです。

毎年行く Key WestのフィッシングShop

 

2010年は何とか釣る事が出来たのですが、今年は釣れるだろうか?

そう甘くない釣りです。

K・Bullet WT #11,#12と、

ここ最近大当たりの SP#8を持って 出発です!


 

第一章 スタート

 

自宅を出発してから、24時間

ようやくマイアミに到着しました。

 

ジェルソンと合流しこれからキーズに向かいます。

 

2011年モデル マーベリック の フラットボート

K・Bullet号

 

フロリダ キーズのオーシャンサイドは、ハイプレッシャーでなかなか釣れないところ。

多くの釣り人が来ていますが、全くヒットすら出来ない状態。

難しい、とんでもなく難しい!

あまりにも思うように出来ない自分に、悲しくなりました。

プレッシャーに負けそうです。

午後近くなってからの出船でしたが、

初日は長旅の疲れもあって、夕方4時には切り上げました。

 

右からの風、ロッドは K・Bullet WT #11

ラインはコートランドのクリアーフローティングをセットし

エメラルドグリーンの海を、回遊してくるターポンを発見し、サイトで狙うのがここフロリダキーズでの最高のスタイルなのです。

多くの人が挑戦していますが、ヒットすら出来ない状態なのです。

 

回遊してくるターポンのスピードを読み

その水深を予測し

魚がヒットしてくるベストな位置へ、正確にキャストしなければならないのです。

少しでもティペットを見られたら、一瞬にしてスプークされてしまう。

すべてに完璧な物が要求される

 

どんな釣りでも運が良ければ釣れてしまうことが多いものですが、

この釣りにはラッキーは無い。

クリアーな水で、魚の警戒心は強く

たまたま釣れるということはありえない無い釣りなのです。

 

魚を発見し、ベストポジションへ船を移動し、キャスティングしやすい位置 方向にするのは至難の業

1日に何度も無いチャンス、

ミスしまいと必死に思うプレッシャーは大きく

強風の中必死に操船してくれる仲間の思いを感じれば感じるほど

釣り人となる役目は重く大きなプレッシャーを受けてしまうのだ。

チームワーク

失敗しても自分だけの責任で「まあいいや」と、割り切れ簡単に流してしまうことが出来るものではない。

必死になって全身汗まみれになってポールをプッシュする仲間の思いが伝わってくるのがこの釣りだ!

お互いの思いは強く一つ巨大なターポンを釣ること、それのみ

思うように行かないことにお互いの意見が衝突する。

ハイプレッシャーの中、完璧なことをするのは難しいのです。

勉強、勉強、勉強!

これも修行なのです。

 

それと、驚くほどプレッシャーを感じさせるのが

このHPです。

フロリダへ行ってきます。と言わなければ、釣れなければ公表しなければよいことなのです。

多くのプロの方はそうするでしょう。

釣れたことの話のみをすれば、気が楽なのです。

 

行ってきますと報告した以上、結果は知らせるのが当たり前

 

釣らなければならない!

 

そんな重圧があります。

 

今回は行ってくると書かなければよかったと少し思っております。

 

でも負けないようにがんばります。

 

 


第2章 巨大なターポンがヒット!

 

2011 年5月7日

早朝から目が覚め、部屋の裏口から出ると、とても美しい景色があった。

フロリダ キーズへまた今年も来てしまった。

今年は釣れるだろうか?

キーズの最もステイタスなアトランティックオーシャンでのサイトフィッシングの釣りで

毎年、短期間で必ず釣って行くというフライマンが日本人で他にいること聞いたことが無い。

今回も釣りが出来るのは、6日

今まで3回挑戦してきたが、すべてキャッチして帰って来れた釣りですが、

年々体力が衰え、今年は、この短期間の中で、釣れるかどうか少し不安になっている。

珍しく弱気な自分がそこにいた。

朝からユウタロウがお昼のサンドイッチを作ってくれる。

これが抜群にうまいのです。

 

期待と不安の重圧と戦いながら、2日めの戦いは始まった!

 

戦闘準備完了

 

到着と同時に魚を見た!

ポイントの読みは抜群の冴えだ。

ベストポジションにキャストしたつもりだった。

しかしボートは回転し、動く。

フォルスキャストをしている間にもどんどん変わる状況に正確な判断が必要なのだが、

巨大なターポンを目の当たりにしてしまうと、つい我を忘れて興奮してしまう。

情けない。

冷静な判断で、自分のボートがどの方向に風で流され、どの方向に回転していくのかを

頭に入れながらキャストを行わなければならない。

どんな状況の中でも、フライがキャストされるべきポイントは、一カ所

ミスをしたら大半はそこで終了なのです。

 

3度目のチャンスがきたとき、フライは私の思うように動き、

向かってくるターポンの顔の近くをき刻みに動き泳いだ!

その直後、ターポンはフライを見て、顔をフライに向けた!

くるぞ!

一瞬にしてわかった!

フライの方を向いた直後、大きな口が空き、フライを吸い込んだのだ!

フッキングはしてはならない。

体を動かすな!必死に自分に言い聞かせた。

ターポンが振り返った瞬間、強烈なテンションがかかったとき

そのときがフッキングのチャンス!

ラインを持つ左手を思いっきり引いた!

「ドバドバ!」

強烈なジャンプ!

15mくらいの距離で、2mちかい巨大魚が宙を舞う

強烈!大迫力!

爆音とともに繰り広げられたジャンプは感動そのものだった!

着水後、一瞬だがラインがたるんでしまった。

そして、そのままラインに強烈なテンションは感じなくなってしまった。

ミスった!

「研治さん、なぜロッドを上げた!」

「ターポンは鱒ではないよ!」

フッキング後は、即座にロッドを下にして、ラインに常にテンションがかかる状態を保たなければならないのです。

忘れていた・・・・・・

100ポンドは優に超える大物に興奮し思わずロッドがあがってしまったのだ!

へたくそ!

滅多にないチャンスをすべてこの一つの動作で台無しにしてしまったのです。

まだまだ甘い。

修行が足りないようです。

その後は、

「今のキャストはヘッドオンした。キャストし過ぎだ!」

「わかってるよ!・・・・」

「今度のキャストは少し短い!」

「今のはキャストしすぎ!魚はティペット見たよ!」

次々にしくじった・・・・・

焦っている私を見たユウタロウは、

「お父さん、落ち着いて!」

その一言で、少し気が楽になったのですが、

このプレッシャーは大きい。

少し休もう・・・・

「ユウタロウ代わって!」

 

ユウタロウはこの釣りがおもしろく楽しいという!

この重圧の中、冷静に驚くほど性格にキャストをこなしていく。

見事だ!

 

完璧なキャスティングをおこなっても、釣れるものではないのがこの釣りの難しさ。

常に完璧ならば、どこかでフライに興味を抱くターポンに出会えるはず。

 

そこもまた難しいのがこの釣りなのです。

 

少し冷静になるまで、休もう・・・・・

 

その後、ユウタロウも次々とくる魚に見向きもされなく

徐々に焦りが出てきたのかキャスティングにミスが出始めたのです。

「研治さんに代わって!」

ジェルソンの判断で、私が落ち着いたことを察知したのかそんな意見が出た。

「いいよ」

そう返事はしたものの、少し慎重になっていた自分がいた。

冷静に、正確にミスのないよう心がけた。

 

「研治さん!魚来たよ!」

「早く、セットポジションに立って!」

「見た!魚見た!」

「ウン見えたよ!」

約7〜8匹が2列に並んで進んできていた。


このようにターポンは見えるのです。

 

まだ

まだ

もう少し待って、

今キャスト!

少しショートなキャストになってしまった!

しくじった!

先頭のターポンは、フライを無視して、通り過ぎた!

フライが見えていないようだ。

「ワンモアー」

2等目のキャストは、3匹目を狙う。

静かなプレゼンテーション

フライを少し沈ませ

トゥイッチ!トゥイッチ!

その瞬間、ターポンがフライの方を向いた!

くるぞ!

その直後、大きな口が開き、私のフライは吸い込まれたのです!

フッキングはしない!

ターポンが反転したときに、左手で大きくフッキング!

強烈な力でひったくられた!

「ドバドバドバ!」

でかい!

銀色の巨体が目の前でジャンプ!

ロッドは下

テンションが消えないように、ロッドを曲げると

一気にラインが走って行く!

「イヤッホー!研治さん凄いぞ!」

大声でジェルソンとユウタロウが叫んでいた!

 

ラインは一気に100m 150mと出されて、その先で何度も強烈なジャンプ!

でかい!

とんでもなくでかい!

「研治さん!これは凄いよ!」

 

「ジェルソンエンジン掛けて、ゆっくり走って!」

ボトで追いかけ、フライラインがリールに入る距離まで来た!

そこでまたジャンプ!

即座にロッドは下を向ける!

ロッドのエンドグリップがおなかに突き刺さる!

痛い!

でもそんなことは言っていられないのです。

プレッシャーを目一杯掛けるために、思いっきりロッドは曲げる!

まっすぐのばしては急な走りに対応できなくなるので、目一杯まげて応戦して行くのだ!

ロッドは下向き、魚が右に行けばロッドは左

左に行けばロッドは右

ファイトにも方法がある!

これに気を抜くと、簡単にフックは外れてしまうのだ!

 

今回の

ショックリーダーは60lb

だが、ティペットは20lb

この魚20lbで取れるか心配でした!

 

格闘は1時間半を超えた!

ロッドを持つ手はしびれ、筋肉が麻痺をしだしてきた!

体力の限界!

おなかは打ち身で赤くなっていた。

痛い!

指も先端までしびれてきていた。

そのとき、ちょうど魚は浅瀬に向かい

ファイトを続けるうちに、フラットに来てしまったのです!

チャンス!

慌ててボートから飛び降り、走ってのファイティング!

 

 

延々とフラットを走りながらのファイティング!

30分以上は走り続けた。

こんな光景は、ターポンフィッシングでは見たことも無い出来事!

この走りは強烈でした!

 

格闘は2時間も続き、ついにジェルソンはターポンの口に手を入れることに成功したのです!

この魚をネットでとれる物ならば、もっと早く取れたでしょうが、ハンドランディングは

ハンパ無くたいへんなのです。

手袋で口を持たないと、手はとんでもないことになります!

ヤスリです。

 

 

でかい!

メジャーで計測したら 全長2m7cm もありました。

とんでもない大物を釣ってしまいました!

フロリダキーズで、しかもむちゃくちゃに難しいと言われ滅多に釣れないこの場所で

ついにとんでもないことをしてしまいました!

私たちは感激しました。

写真撮影後、急いでリリースをしたら、ものすごく元気にこの巨大なターポンは泳ぎ去って行ったのです。

そのシーンはすべてビデオで撮影してあります。

よかった!

本当によかった!

 

凄かった!

とても凄かった!

感激感動しました!

でも

筋肉痛で体が動かなくなりました!

k・Bullet WT #11

リールは シエラTX2

このリール昨年も使用しそのまま放置してありましたが、全く問題なし!

メンテナンスフリーです。

WT#11のグリップエンド この長さがないと走られたときに服が風になびきリールに絡むおそれがあるので

この長さは必要なのです。

 


その後、大満足した私たちは帰ろうか?という話も出たのですが、

昨年も私が釣った後、ユウタロウが釣れたので、もう少し、釣りをしてから帰ろうと

また、オーシャンサイドのフラットへ戻ったのです。

 

どれくらい待ったのだろうか、

30分もしないうちにターポンの群れがやってきた。

キャスト!

ユウタロウは落ち着き正確にキャストを繰り出す!

見事だ!

ここまで出来るとは驚きです。

しかし、魚は反応しなく逃げるばかり。

30分に1回前後くらいの合間をあけ、やってくる魚に次々とアタックして行く。

夕方までの4時間、この繰り返しが続いた。

 

「ナイスキャスト」

「トゥイッチ・トゥイッチ・トゥイッチ」

フライをリトリーブすると

その魚は急にフライの方を向いたのです!

一気にフライに顔が近づき、大きな口が開いた!

フライは吸い込まれ反転すると同時にひったくられたのです。

思いっきりのセットフック!

その瞬間、巨体は水面から飛び出し

私たちの目の前で銀色の巨体が舞い上がったのです!

「やった!よくやった!」

その直後、ラインが引き出されると同時に、ラインがお立ち台の足に絡んだ!

ラインが出ない。

ジャンピングと同時にロッドを下げ前へ送るのですが、ラインが絡み、送り込みができなかったのです。

一瞬のミスも許されないこと釣りの奥の深さ

運が悪かった。

それしか言いようがなかった。

その後、魚は全く振り向きもしなく、この日は終わった。


第3章へ続く