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2012年 10月 スティールヘッド

 

久々のスティールヘッドの釣りとなる今回、それは目的があっての旅でした。

今までにスティールヘッドは、カナダのスキーナリバー本流からコッパーリバー、バークレイリバー、トンプソンリバーなどいろいろ行ってきました。

最も思い出に残る魚は、トンプソンリバーのスティールヘッドでした。

Thompson River Steelhead

トンプソンリバーは、上流にあるカムループスの強烈に走るレインボーの血を受け継いでいるためなのか解らないが、アメリカ大陸の中で最も走るスティールヘッドといわれ、川も規模も巨大なために、ファイトも難しい。ここ近年、遡上数は少なく、私が行った頃よりさらに難しくななってきていて、さらには、安価なライセンスで誰でも釣りが出来るためにとても難しく、世界のスティールヘッダー達からは、最もステイタスなスティールヘッドとされています。

 

この写真は、運良くトンプソンリバーでヒットさせた1m5cm 23lbのスティールヘッドです。

1日10時間 真っ暗な時間にホテルを出て、真っ暗になるまでダブルハンドを振り続け、食事はAM11時に1回のみ、ひたすら川に入りロッドを振り続ける。ヒットする物は何もなく、ひたすらロッドを振り数少ないチャンスを狙う。しかもそれを逃さずものにしなければならないという強烈な釣りでした。

3日目、この魚、Sussex Salmon2 リールに 450mのフラットビームを巻いていき、全てのラインを出されてしまい、「ラインがない!ラインがない!」叫びながら150mくらい走って川を下り、耐えて!耐えて!必死でランディングした思い出の魚!運良くキャッチできました。

この走りは、強烈でした。

衝撃的でした。

北米のスティールヘッドのポンドは、全長引く20が平均のポンド数です。(ロシア・カムチャッカのスティールヘッドは世界でも貴重な原種といわれ体型は不明)

この魚ですと、42inですので、それからマイナス20=22lb この魚はかなり太っていまして、実際に計測したところ23lbありました。

ブルースガーハートというカナダの有名なスティールヘッダーが計りで計測してくれました。

北米の20lbを越えるスティールヘッドは、フライフィッシングでは5万人に一人くらいの確立でしか釣れない貴重な魚といわれ憧れのサイズ。

平均サイズは1m、尾びれの付け根の太さを見ればサイズがだいたい解ります。指が回ってしまうことはないとんでもない太さなのです。

トンプソンでこの魚を釣って以来、1mを越えるスティールに出会える事はなかったが、この釣りがあまりにも強烈な印象で、それを越える魚を釣るための挑戦をする勇気がないのが本音です。でもトンプソンには、いつかもう一度行ってみたいと思っております。

今回、久々のスティールヘッドの挑戦の目的は、大物を釣るという物ではなく、新しい釣り方を学びに行くことが目的でした。

アメリカの有名なロッドメーカーのロッドのデザインや

ライン設計をしている友人の紹介で、

「秘密の大物を釣る方法があるから来ないか?」

と、昨年から何度も誘いがあり実現した旅です。

日本でも世界中でも通用する釣り方なのかも?という期待を胸に

私たちが向かう河川は、魚は特別に大きな物がいる河川ではないが、適度な規模で新しい釣り方を学ぶには最適の川ということでした。

ガイドは必要ないと言われ、ライセンスは7日で30ドルのみ

教えてくれる友人は少し忙しく今回の旅で、1日しか一緒に釣りは出来ないが、大丈夫だ!ということでした。

後は、勉強したスタイルとポイントを覚え、自分たちで歩いて探し、釣っていくという、まるで九頭竜や神通川へ通い始めた頃と同じような条件の釣りでした。

日程は、9日間  旅費は1名 16万円前後 (宿泊、ライセンス、レンタカーを含む)

スティールヘッドの釣りでは激安なのです。

世界にはいろいろな釣りがあり、これも一つのスタイルで、それを習得するため。

釣りの勉強です。

初日、その釣り方を勉強し

ある程度把握できてからすぐにヒット!

 

釣り方はいくつもあった!

「大物は狙って釣れ!」

とのことでした。

 

ヒットしてから、鮭や鱒ならばズンズンと頭を振ってそれから走り出すことが多いが、スティールは一気に走る!

ジャンプの連続!

ドラグを閉めれば一発でラインブレイクするであろうと思われる勢いで走る!

いい加減走ってもなお走り続けるから面白い!

 

でも、

ハワイの大型ボーンフィッシュを多く経験していると、スティールの走りは余裕がある。

巨大なターポンから思うと、かなりの余裕が持て

楽しい!

この走りを、気楽に楽しめる余裕が出来ていたことに、久々のスティールで実感した。

ここでも、スティールの写真は、なるべく水から出さなく、数枚撮ったら早くリリースが基本。

ファイトが強烈なので、息切れをしているために弱るのが早いからなのです。

友大郎がヒット!

 

たまたま、対岸の崖の上からから友大郎の釣りを見ていたら、ヒット!

この激流を上り、

強烈なジャンプ!

この後、一気に下流へ走り、楽しそうだった。

渓亮もヒット!

渓亮はほとんどカメラマンで走り回り、なかなか自分の釣りが出来ない、修行中の身!

初スティールヘッドを手に出来て

私はとても嬉しかった!

 

 

こんなブラウンも釣れた(笑)

ポイントがどこにあるか?

他の方達はどんな釣りをしているのか?

すれ違う釣り人の全てに声を掛け

いろいろ聞き歩いた。

フライを拝見

カッコイイフライボックスでした。

今回は、釣り人が多く魚がスレていて大型のフライは効果がないということで、少し小型のスペイフライやウエットフライをも用意してきた。

地元の彼らから聞いた釣り方で、早速に持ってきたスペイフライを試した。

アクセスポイントから上流へ歩く、そこに瀬があるのか淵があるのか全く見当も付かない。

歩いて目で見て確かめる

ガイドが横にいて、ポイントを案内してくれ「もう4フィートロングキャスト」 「この角度で、あそこを狙え!」など釣らせてもらえる釣りではない。

かなり歩いて行けども瀬しか無く引き返す。

心は折れそうだが、釣れても釣れなくても自分の責任

まずは川を歩き、ポイントを把握するしかない。

不安は大きいが、初めて行った神通や九頭竜、荒川を釣っている気分で楽しい。

自分の力で釣る。この信念が必要だ!

これが60万円もする釣りならば、ショックですが、今回は15万円前後ですので、激安な分、少し気が楽です。 

ガイドを頼めばよいのでしょうが・・・頼む気にはなれなかった。

この時点で釣れていたからそう思えたのです。

アクアーズのウェーディングジャケット

 

私はもう少し寒いのでは?と思い、

シエラのKENAIウェーディングジャケットを着た!

暖かくポケットも多く使い勝手がよい これかなりのお勧め!(激安販売)

シエラのラインワレットに各種のラインを入れ、現場のポイントに合わせ

釣り方に合わせラインを交換する。

このシエラのラインワレットはお値打ちで便利!

パワーヘッドS 4ティップチェンジャブルライン

タイプ2 ティップに交換

バックスペースが無くとも、気持ちよく飛ぶ

友大郎のキャスティングは、かなり上手になった!

それと同時に、釣りもかなりのレベルになってきた!

後はたくさん釣り、経験を増やすこと。

とっさの時に、勝手に体が動くようになるのです。

魚は自分でランディング! 杉坂ネットはここでも活躍した!

杉坂ネット バール材使用・ハイグレードモデル制作中です!

中州の裏川。静かに釣りをする釣り人を発見!こんな穴場もあるようです。

K・Bullet SD#6 を使用した。

シングルで言えば#8

ロッドのウエイトは、魚の大きさではなく、フライを飛ばす距離により選ぶことが多い。

対岸までは70m〜100mくらいの河川ですので、

立ち込めばさほどの距離ではないために

SD#6を使用した。

次回は、SD#8を持ってきてもよいかな?と思うポイントもあった。

強烈に走った!

鮭ならばもう走りが止まるのに

さすがスティール!

ここまで走る鱒族は少なく

シルバーサーモンより、アトランティックサーモンよりスピードが速く走った!

やっぱニニジマス系はイイネ!

下流の対岸に良いポイントはあった。

しかし、早朝から人気ポイントは人でいっぱい

新しいポイントを探して歩いた。

ハリケーンの影響で、初日より水位が3倍に上がり

全てのポイントで釣れなくなり、川からサッと釣り人がいなくなった!

そんな中、粘っていた渓亮がヒット!100人に1人釣れるかどうかの状況の中の快挙! 近くにいたおじさんに写真を撮ってもらったようです。

 

今回の旅の途中で、カップラーメンがどうしても食べたくなり

隣町まで探しに走った!

日の出は遅く日暮れは早いので、時間に余裕があり

フライショップでのお買い物も楽しかった。

朝食 昼食のサンドイッチを作りながら、天気予報を見た!

巨大なハリケーンが直撃の予報

川の増水は、3倍

フライショップを何軒も回ったが

全ての答えが「Slow!」

誰からも釣れたという報告はないという。

最悪の状態となった。

 

不安で眠れず夜中TVを見た。

FLORIDA近辺の空港は閉鎖

そのまま北上してくる

日本が丸呑みされるくらいの大きさ

巨大ハリケーンだ!

途中から、コースを変え、内陸に入ってくるらしい。

このまま3日もすれば、私たちの帰国予定日に飛行機は飛ばない

最悪はさらに2〜3日缶詰状態になる。

フッと思い立ったのが、釣れなくなってしまった川で粘り、ハリケーンを待つのも時間の無駄

朝早く空港へ行き、チケットを日程より4日早く出来るか?聞きに行くことにした。

すると、現地の空港では国際線は解らないという。

結果はNO!

それならば、まずはDETROITまで逃げよう!

ということになり、国内線だけでも交換して欲しいと頼んだらOK!

そこから先は、DETROITで聞かないと解らないらしく

とりあえずホテル、レンタカーを返す話をした。

予約できた飛行機の便は翌日の早朝!

ハリケーンに追いつかれない事を祈った!

無事にDETROITへ到着した私たちはDETROITで2泊のホテルを予約しなければならないだろうと諦めていた。

ダメでも頼んでみよう!

東京でも大阪でも何でも良いから日本へ帰りたい!

少し待たされ調べてくれていた結果

ハリケーンの影響なのでということで、名古屋行きのチケット、しかも当日のものを用意してくれ、帰国!

嬉しかった!

何とか無事に帰れる事になりました。

 

 

帰りの空港で、ビールをオーダーした時に

パスポートを確認され

その瞬間 「HappyBirthday!」と言われ

この日が友大郎の誕生日だったことを思い出した。友大郎28才。

親子3人で、ハンバーガーで誕生日を祝いました。

九頭竜に熱くなりダブルハンドを担いで走り回り、通い続けていたとき友大郎は5才、渓亮が2才。

妻のお父さんに「5才になったので、少しは子供と遊んであげて欲しい」と頼まれたことを思い出した。

あれから23年が経っていたのですね。

そのときは、こんな幸せな日が来るとは予想もしていなかった。

 

これから当分(数年)は、年に1〜2回はこの川へ通い

少し勉強したいということになった。

来年は、3月に行きたいのですが、キューバへ行く予約をしたために

9月末頃を予定し、予約を入れた。

 

 

 

現地の30年もフライをやっている方と知り合い、

多くの事を教えてもらった。

これから何度か連絡をしながら、この川はもちろん、この近辺にあるいくつかの河川についても、いろいろ教えてもらえる約束をした。

今後も、かなり面白い釣りが出来そうな予感!

KenCubeファンの皆様を、激安価格で招待できるよう勉強してきます。

一緒に行きましょう!!