アダルトミッジ

 

フラットな水面において、ハックルパターンは目立ちすぎるのかよく解らないが、鱒に見切られてしまうことが多いものです。そこでハックルの何が見切られてしまうのかをトラウトポンドのスレスレ鱒で検証したのです。

ハックルの多さ、巻き方、そしてカラーなど、いくつかのパターンを年月をかけてその反応を調べてみました。
そこで、私だけでは情報が不十分なので、釣りに来られている方達の良く釣れているパターンを見せて頂きその共通点は何かを求めたのです。

そして、結果として出てきたのは、パラシュート形状はあまり良くない、ハックルは乱れなくシャンクに直角であること、ハックルの量は多くない方が良く回転数は3〜4回まで、そしてカラーはブラックが効果的。

そのような条件が、まとまってきたのです。

それを元にフライをタイイングしてみましたが、ハックルだけではイマイチの浮力で、ティぺっを沈めるとフライが簡単に沈んでしまうようになってしまいました。

そこで必要なのが浮力のあるCDC。

そうであるならば、CDCのウイングだけで良いのでは?と思われがちですが、フライサイズが#20前後の場合、なぜかCDCのみのウイングよりもハックルを使用したパターンの方が断然良く鱒が出てくるのです。

ですからハックルのパターンが必要になってくるのですが、浮力が弱い点が問題です。

そこで、ハックルの間に大きな浮力が得られるようにとCDCをたくさん取り付けてみてその釣果を調べると、ハックルのみより見切られることが多くなるのです。

結果として、浮力が得られ、なおかつ視認性を良くするための最低量のCDCを取り付ける事が最良だったのです。

ティペットを沈めてもフライは浮いてきて、安定して釣ることができ、鱒に見切られにくかったパターン。それがここで紹介するアダルトミッジなのです。

 

ハックルは、シャンクに対して直角。CDCはハックルに囲まれ水流抵抗を受けても濡れにくく回転しにくいように下側3分の1にハックルがないようにしてあります。

これは#26にタイイングしたものですが、小さければ小さいほどシャンクと直角にすることが大切で、ハックルがバラついてしまうと、パラシュートと同様になりその効果が半減してしまうのです。

そこで、バラつくことが無く正確に簡単にハックルを巻くにはそれなりの方法があるのです。

 

ハックル選び

 

 

ハックルには種類がありハックリングしたときにファイバーがチョックに立ちやすいものと立ちにくいものがあるのです。

それはハックルのメーカーにより違ってくるのですが、ホフマンそしてホワイティングは飼育している鳥のストークが楕円でフラット側にファイバーがあるらしく、巻き付けると自然と立ちようになるらしいのです。その他のメーカーのハックルで綺麗に巻きにくいものがありますが、それは、楕円の尖った側にファイバーが生えているらしく、巻き付けると自然とシャンクと平行になってしまうものが多いそうです。

よって後者のハックルの場合は、ダビング材など下地に柔らかいものを用意しそこへストークを食い込ませ、ハックルを立たせることが必要なのです。

そこで、スレッドのみでボディを制作していくパターンには後者は不向きで、前者のハックルが必要なのです。

ハックルは通常に使用していれば1枚で5年くらいは使用できますので、購入する場合は最高級のものを購入してください。

高くても年数で割り考えてみると、1年で三千円後半位の金額です。シルバーやブロンズでも良いと思われますが、最高級のものは全然違いますよ!

 

 

 

次に大切なのが、CDCです。

このCDCは、ベネッキですが、CDCのウイングは出来るだけ大きなものの方が、いちど濡れてしまっても復活の時間が全然違うのです。

パフというものをご存じでしょうか?私は嫌いな羽で、浮力もありツイストウイングイマージャーにはもってこいと思いましたが、いちど濡れてしまったら復活しづらく、完全に乾くまでは浮力が低下。フライチェンジしか方法はなくて困ってしまったことがありました。

それと一緒で、ファイバーが柔らかいものは復活が遅く、チャンスの時間は限られていますので、浮力が安定し復活力が早い大きめのウイングがお勧めなのです。

ベネッキ以外にもアンプカ、メッツなどセレクトされたものがありますがその他は大袋で購入し、中から大型のものを自分でセレクトし別に分けておくのも方法です。

 

アダルトミッジのタイイング

 

 

 

フックは通常TP77を使用します

今回はTP88でもタイイングできますので、TP88を使用してみます。

 

フックは、通常TP77 #18〜#26

あまり小さなサイズは必要なく、#26まで使用しております。

 

TPフックは、バイスで挟むときは必ずベンドカーブの真ん中からシャンク側を挟んでください!

 

スピアー部分や針先を挟むと、ベンドが変形してしまったり、折れてしまうこともありますので注意してください。

 

 

 

 

ボディはブラックのスレッド。

もしくはブラウンのスレッドとブラックのスレッドでコンビにしても面白いです。

 

CDCはシャンクに乗せスレッドで二つ折りにして、根巻きをしておきます

 

 

 

 

ポストとの前にブラックのハックルを取り付けます。

 

そしてスレッドはポストの後ろへ持って行きます。

 

 

 

 

ハックルは、ポストの目に1回転、ポストの後ろで2回転です。

 

 

 

 

その後スレッドを巻きながら前へずらし、ハックルの付け根を太くして

ハックルが後方へ来ないように押さえ込みます。

そして、ハックルの下側にスレッドを通して前に持って行きます。

 

 

 

前側でもハックルの付け根をスレッドを巻き重ね、ハックルが前へ来ないように押さえ込みます。

 

そして、ハックルの下側の3分の1をカットします。

 

 

 

CDCはトライアングル状にカット!

中心の2〜3本は長くしておきます。

 

 

 

このフライは同じようにタイイングしましたが、スレッドを前へ持ってくるときにハックルの下側を左右に分け、スレッドで前後に たすきがけを行い、ハックルを分けたタイプです。

 

この方が、ハックル本数が減ることが無く、浮力も得られます。

 

このタイイングになれてこれば、中心のCDCの2本をホワイトカラーにしてもその釣果は落ちることはなくさらに視認性が上がるのでやってみてください。

注意! CDCのカラーをホワイトのみにするとその効果は激減します!

CDCのホワイトは要注意です! 多用はしない方がよいですよ!