ツイストウイング イマージャー について! 杉坂研治はこのパターンをどう考案したのか? このパターンをどう製作したのか? この名前は? なぜtwist? ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このパターンは、杉坂研治が考案したオリジナルパターンです。 ツイストウイングとは?その効果は何なのかを説明させて頂きます。 このパターンの特徴は、先端を束ねたウイングにあります。 このフライが生まれた、1996年、CDCのファイバーの先端を束ねる事を発案し発表しました。 これらウイングマテリアルの先端を束ねたパターンを、BunchWing(バンチウイング)パターンといいます。(杉坂研治命名) お願い!
マテリアルの先端をなぜ束ねる必要があるのか? それは、カゲロウが羽化失敗をして、水面に張り付いている時の形状を模した物です。 |
これらの写真をご覧ください。 カゲロウが羽化を失敗し、流下していた状態のウイングです。 これらウイングは、同じ形状の物は、ありません。
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それは、羽化が成功していれば、この写真のような、ウイングの形になりますが、失敗ですから、ウイングが折りたたまれてしまったタイプや、水に濡れ縮れてしまったタイプ、シャックが引っかかってしまったタイプなど、正常ではないから、羽化を失敗してしまったのです。 そこで、これらの多くの形状の物を鱒は避けている事はなく、全て捕食しているのです。 羽化が成功し、ウイングが真上に立っているタイプよりも、水面にウイングが張り付いてしまったタイプの方が、かえって鱒に発見されやすく、好んで捕食されている場合が多いのです。 そこで、羽化失敗をしたウイングの形状を考えますと、ありとあらゆる形状がありますが、その多くは、 |
このような、ウイングが縮れてしまうタイプが多いのです。 しかも、上流で羽化し瀬の波にもまれ、水没したカゲロウの形状はほとんどがこの形状なのです。 鱒はこの形状とカラーを餌の信号として記憶しているはずなのです。 落ち葉、小枝など様々なゴミはありますが、このように十字型の物は、ほとんどがありません。 そう、 私は、この十字型こそ、鱒が感じるカゲロウの信号の中の一つであると考えたのです。 |
この十字型の形状を模写して、フライパターンを作ってみようと、いろいろ試みました。
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そこで生まれてきたのが、初代、ツイストウイングイマージャーです。 1994年から95年にかけて、考えられたパターンです。 この、名前の由来になる、ツイストウイングとは、 この写真のフライが当時に製作された物ですが、 マテリアルは、CDCが生えている直ぐ横にカモのテールがあり、そのウイングが、ダークダン・カラーで、コカゲロウのウイングが水没した時のカラーによく似ていたのです。 |
そのファイバーを、リアルにまとめるために、ウイングをねじり、先端を昔はロウで固めていたのです。 しかし、ロウでは、使用して時間がたちますと、ウイングがばらけてしまうので、改良型として、先端をマルチグルーで固めて使用するようになったのです。 その後、このマテリアルは、一般的に入手が不可能という事もあり、現在使用しているCDCへと変化していったのです。 名前は、この当時付けた物を使用していますので、実際は、改良されウイングをねじらなくなりましたが、ツイストウイングとなっているのです。 爆発的に釣れるフライパターン この当時から、この十字形状は、爆発的に釣れ、私たちの仲間の中では欠かせない考え方となっていたのです。 一般的には知られていなく、他には同様の事を行っている有名人は皆無でした。 通常でいえば、CDCのパターンはダンがほとんどで、スペント形状の物といえば、CDCをウイングにそのまま使用する事が基本だったのです。
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このような、ウイングです。 |
その他、CDCのファイバーを束ね使用するパターンもありましたが、羽化を失敗したダンのウイングは、右の写真のように丸まっていて、ひろがっていないのです。 CDCを2枚使用したり、ストークを束ねだだけでは、水面にフライが着水すると、水面で広がりやすく、求めている十字形状にはならないのです。 上の写真のように広がったウイングですと、水面が映し出すライトパターンは、丸に近い状態となってしまうのです。(サイズが大きければ問題はなく、小型だから) 十字のシルエットをしっかりと出すには、先端を束ねる事がベストである! そう結論を出したのです。
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この方法は、フローティングニンフなどにも使用され、ヘンリーズフォークで超スレスレの大型鱒が、PMDのフローティングニンフのみを選んで捕食しており、その時も、CDCのポストを長めに使用したのですが、 先端を束ねたパターンと、束ねないパターンでは、0対5以上の差が出たのです! BunchWing(バンチウイング)(束ねる)パターン は、かなりの効果があるのです! そこで、いろいろな素材を使用し、多くのテストを行いましたが、浮力、持続力、カラーバリエーションなどを考慮しますと、CDCを使用するのがベストという結論になったのです。 そして、そのウイングの束ね方も、平面ではなく円柱状に立体的に作る事により、浮力はさらに増してくるのです! このバンチウイングですが、ここまで追求していくのに多くの時間が必要でした。 カディスのウイング、フローティングニンフのポスト、ストーンフライのウイングそして、カゲロウのイマージャー・ウイングなどと 多くのパターンで使用しているのです。
今では、このBunchウイングをコピーして多くのタイヤーが素材を変えたり、パターンを変えてオリジナルと出している。 BunchWing(バンチウイング)(束ねる)
こうして生まれたのが、ツイストウイングイマージャーなのです。 杉坂研治の必釣パターンとして、今でも使用されているパターンです。 この十字効果の形状は、本当に良く釣れるのです。その考えで製作したパターンとして、デルタウイングイマージャーがありますが、これも良く釣れるパターンです。1本のフライは必ず見切られます。ですから、必釣パターンは、最低でも3パターンは欲しいですね! 今では、このツイストウイングイマージャー、デルタウイングイマージャー、スルーウイング、バブルウイングと必釣パターンはありますので、これらのパターンを交互に使用していきますと、面白いように魚が釣れるのです!
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ツイストウイングイマージャーのタイイング方法! 最新バージョン |
TP77 もしくは TP88 フタバコカゲロウ は #18〜#16 コカゲロウは #16〜#14 ボディは、スレッドのパターンもしくは クイルのパターン スレッドは、レオナ66 78番カラー |
ウイングに使用するCDCは、左右から同じ量を取る |
左右を互い違いに持つ、半分は左が先端半分は右が先端 これで左右のウイングのバランスが取れます。 |
束ねて持ちます |
ボディに乗せ、たすき掛けで固定します |
ウイングを両方から指で潰します |
すると、ウイングが広がります |
ウイングを指で挟んで上げます |
このようにします! |
指で挟んで ハサミでカット! |
このカット方法ですが、 後側を少々長くカットしてください! このカット方法で、ウイングの形状が決まります! |
マルチグルー この時代は、これしか無く使用していましたが、これは、フロータントの溶剤 揮発剤に反応し溶けてしまうために、スプレーやリキッドフロータントの使用は不向きです。
そこで、考えられたのが、スプレーやリキッドに反応しない クリアラバーグルーがお勧めです! |
ウイングのカットは、左右対称 後が少々長い事がベスト!
CDCの先端のみマルチグルーをぬります。 先端だけです! |
CDCを後方から先端を合わせるように、叩くように合わしていくのです。 |
すると、後方の長いCDCは、丸くなりウイングらしくなります。 左右同様に行ってください。
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目印ヤーン |
1本を半分くらいの量にして、スレッドで止めます。 |
ポストの完成 |
今までは、これで完成でしたが、ドライシェイクスプレーなど、溶剤を使用しているフロータントを使用しますと、マルチグルーが解けて、ウイングがバラバラになる事があります。そこで、液状&スプレーフロータントを使用されるならば、 瞬間ボディーコートを用意し |
ウイングの先端のみ付けてください。 ここで、瞬間ヘッドセメント、瞬間接着剤は使用しないでください! これらは、濃度が薄く、少しでも多く付きますと、瞬時にウイングの中に染み込んでしまうのです。 しかし、瞬間ボディーコートならば、染み込む事はなく、先端のみ塗り固める事が出来ます! |
これで完成です!
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TPフックならば軽いので、少量のCDCで浮力は持続しますが、他のフックですと重いので、この倍の量のCDCは必要となります。
ツイストウイングイマージャーは、必釣パターンです。 貴方のフライBOXにも忍ばせておいてください! |
2002年 このフライのタイイングは、フライロッダーズ 小冊子「無敵のキラーパターンベスト20」でも紹介されました。
各種のカゲロウパターンで使用出来ます!!