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大型のヤマメ

 

 

尺物!

私たち釣り師の中では、30cmを超えてくるヤマメやアマゴを尺物と呼び、大型魚としての解釈や特別な物としての見方があります。

しかし、虹鱒やアメマスの30cmの大きさは尺物として特別視される事はなく、ヤマメやアマゴの平均サイズが30cmに満たない個体が大半だからそう言わせていると思います。

ヤマメやアマゴは、虹鱒やアメマスとは違い、平均寿命が短く、通常は2年もしくは3年、それだけしかしか生きられないことも、小型が多い理由かも知れません。

通常、ヤマメ・アマゴは、

11月から12月にかけて孵化し、翌年の2月〜3月になると、15cm〜25cmくらいになっていて、それを漁協が放流し、

一部の生き残った物が、その年の秋に産卵をして生涯を終える・・・・・そんな個体がほとんどです。

自然繁殖も同じです。

 

しかし、自然孵化もしくは稚魚放流の個体で、

中には急成長するのか?それとも通常よりももう1〜2年長く生きてしまったのか解りませんが、とんでもなく大型の物が釣られています。

 

このヤマメは、私が釣った過去最大のヤマメです。

釣った時期は8月ですが、48.5cmもあったのです。

これは同じ日に釣った、37cmと34cmのヤマメ

これはずいぶん前の写真です。このころは、ウエットフライやストリーマーに没頭し、この釣りを習得するまでは他の釣りはやらない!って、決め、ウエットフライで釣りまくっていた頃の写真です。 5月から8月までに尺ヤマメや尺以上のイワナを 毎年50本以上釣り続けましたから・・・・・

フライパターンの事、カラー、サイズ そして フライの流し方!など! ムチャクチャに勉強し釣りまくりました! 答えは魚しか教えてくれませんからね。

キャスティングも大切ですが、ウエットやストリーマは、そのことが一番重要です!

その写真が、今でも数百枚あります。 このHPのいろいろな所で、ウエットやストリーマーの神髄を今後紹介していこうと思っております。

 

通常では、尺ヤマメとか尺アマゴは数が少なく30cmを超すヤマメやアマゴは珍しい物です。

 

でも、居る所には居るんです!

この、30cmを超すヤマメって本当に珍しい物なのか?

そこについて考えましょう!

 

 

昨年より、ヤマメの養殖を始めながらも、この魚たちはいったいどれくらい大きくなるのだろうか?そんな疑問を持っていました。

 

そこで、実際に自分の手で卵から孵化させ、どれくらいまで大きくなるのか試す事がベストと、昨年、ヤマメの寄付放流もかねて

成長を調べたのです。

 

 

2006年11月21日    ヤマメの卵が2万粒到着

この孵化装置は、中央卸売市場のゴミ箱に、マグロが入ってくる大型のスチロール箱が捨ててあるので

それを、頂いてきて、使用しました。

 

 

2006年 11月24日

到着後3日目から孵化をしだしました。

 

 

2006年12月16日

ヨーク(お腹の袋)が吸収され、浮上し始めました。

 

 

2007年1月8日

体長は2cm になりました。

 

2007年3月12日

 

大きなものは7〜8cm

小さな物は2cmで、このころから一気に差が出てくるようです。

 

2007年5月27日

大きなものは体長10cmを越えてきました。

 

2007年9月7日

 

このころで、大きなものは25cmを越えていました。

 

2007年10月21日

ヤマメの卵が到着して11ヶ月

あのときに卵だったヤマメが、たった11ヶ月で、30cmを越えてしまったのです。

 

まだ生まれて1年満たないヤマメがこのサイズですから、驚きです!

 

2008年2月1日

我が研究所の窓の向こうで、毎日元気に餌を食べているヤマメ!

あれから3ヶ月少々が過ぎ、さらに大きく育ってきています。

正しい大きさは、捕獲していないので解りませんが、尺ヤマメがいくつも泳いでいます。

たった1年で卵をお腹に抱えているヤマメもみえます。

これは産むのでしょうか?そのまま吸収されるのでしょうか?

今後も成長を見守ろうと思っています。

 

でも、たった1年で尺物が育つのですから驚きです。

この稚魚たちは、最低水温10度前後から 最高水温18度で育ててきました。

この適水温と多くの餌(ペレット)が急成長をさせたのでしょう。

 

これから秋の産卵まで8ヶ月以上ありますが、このヤマメはいったいどれくらいになるのでしょうか?

 

このヤマメも、同じように急成長して来たのでしょう!

 

渓流に餌が少なく、水温が低いと成長は悪く、大きな個体は育ちません。

 

成長に適した水温、すなわち、湧水の川や蒲田のように温泉で水温が低くて10度前後のような場所で、豊富な餌が捕食できれば驚くほどのスピードで急成長していくようです。

魚の成長はやはり環境が第一のようです!

 

という事は、

尺ヤマメが釣れる川は、この適した環境下にあるという事で、

一度釣れると、同じようなサイズが毎年釣れる確率が高くなるという事です。

 

そういう場所へ集中して行っていれば大物に巡り会えるという事ではないでしょうか。

今年は、久々にウエットフライで尺ヤマメと遊んでこようと思っております。

 

それと、

今、20匹以上我が研究所の池にヤマメが泳いでいますが、この魚たちは、全て、解禁後に蒲田川へ放流します。

秋にはどれくらい大きくなるでしょうか?

楽しみですね。