鱒ってどれくらいの視力があると思いますか?
私も詳しくは解りませんが、0.1〜0.5位であろうと釣り関係の本に紹介されたことがありましたが、(たしかテレビでも視力のことと、毛鉤を口にして0.2秒で吐き出すとか?いっていましたね)本当にそうでしょうか?
実際はもっとハッキリ正確に見えると私は感じています。
トラウトポンドのシラメですが、空気中を飛びかう全長2mmしかない虫を、盛んに追いかけ、ジャンプして空中で捕食しています。そこへ同じようなカラーの同じようなサイズのフライをキャストすると、スレていない魚は無警戒でヒットしますが、スレスレのシラメとなると、直前まで見に来て「サッ」とUターンしてしまいます。
しかし、フライパターンを変えいろいろ試していくと釣れるパターンがでててくるのです。
そのパターンを使用し長良川で釣りをしてみましたが、確か5時間くらいで15匹くらいキャッチしました。フライに出てきた数は、30回くらいあったと思います。
そういえば、釣りビジョンで撮影に行ったときも、そのパターンをも使用しました。この時は、1日で確か13匹釣ったと思いますが、メチャクチャに良く出ましたね。
話がそれてしまいましたが、こんなに小さなものでも良いものと悪いものの差が明確に出るということは、間違いなくハッキリと見えている、もしくは、その差を感じ取っているということ思うのです。
水面から上の部分に関しては、空気と水の境界である水面との関係があり、見えにくい条件も出てきて形が正確に解るとは思えませんが、水中に関してはハッキリと見えているはずです。
そこで重要なのは、フライの水中部分。
前のページでも書きましたが、黒い太軸のフックで、タイイングしたフローティングピューパは、フックの先端までが虫に見られる可能性があるので、ボディとフックを一緒に見られないためにフックの軸はできるだけ細く、そして目立ちにくいカラーにしたのです。フックの存在はフライにとってマイナスです。見えなければ見えないほど有利なんです。
このTP77のフック形状は、
軽さを追求するため。
高いフッキング率をキープするため。
バレにくくするため。
この様なことを考えこの形状になったと、前のページで書きましたが、
さらに、フックをさらに見えにくくするためと強度を出すためでもあるのです。
この方法は、ミッジでは欠かせないピューパやコカゲロウのフローティングニンフなどのボディが水中にあるフライを前提としています。
その方法とは、
通常フライタイイングを行う場合は、フックのストレートなシャンク部分にボディを巻くことが基本?の様ですが、このTP77の場合は全くそのような基本はなく全てが自由な発想を持って作られています。
そこで、ピューパやフローティングニンフは、緩やかなカーブを描いた状態で水面にぶら下がりますので、TP77でのタイイングは、スピアーの直前までボディーを巻いてしまうのです。
この写真の違い解りますよね。右の写真はストレートシャンクに、ボディーをタイイングした状態です。
左がTP77のタイイングしたもので、かなりスピアーに近い所までボディが来ています。もう少し下までボディーがあっても全く問題はありません。
1ランクか、2ランク小さなフックを使用しタイイングすれば、さらに軽くなり、ほんの少しのマテリアルで浮くようになります。
そして、この部分にボディを付け瞬間ヘッドセメントで固めればさらに強度は増し、ヒレピンのレインボーの50cmでも全く変形しない強度を保つことができます。
ただし、5xや3xのティペットで強引に引き寄せればどうなるかは解りません。
話はそれますが、ちなみにミッジピューパの場合、CDCをタイイング時に、少し長め&少し多めに取り付けてください。
釣り場で、鱒がスレていない場合と水面が波立っていた場合は、そのままの視認性が良い&高浮力状態で使用できますし、このCDCが目立ちすぎて鱒が避けるようならば、クリッパーで本数を減らしていきます。短くするのは最後、長めのものを2〜3本中心に残し、回りからカットしていってください。
2〜3本長めを残すと格段に浮力&視認性が向上します。(極秘技)
この写真は、上記のフライを水に浮かべ撮影したものです。
この違い解りますよね!
TP77のフックの先が見えにくく、もう一方の黒いフックでは形状がハッキリと解ります。
鱒は、この違いをハッキリと見極めてきます。
釣り人があまりいない河川で、スレていない鱒を釣るには、右のフライの方がよく目立つので、それにライズしてくるかもしれません。特にニジマスならば。
しかし、
マッチング・ザ・ハッチの釣りで、ヤマメやアマゴ、イワナは、元々持っている視力、警戒心がニジマスやブラウンとは違いますから、この違いはかなり解ると思います。
TP77のバイスの挟み方をお伝えします。
この写真のように、通常のフックはスピアー部分を挟むことが多いのですが、この様に止めてしまうとベンドの下部分(ヒール)からアイまでの距離が長いため、スレッドを巻く力小さなでも全てこのヒール部分に力が集中し、簡単に変形してしまいます。そこで、下の写真のように止めることをお勧めします。
TP77の場合は、スピアーから少し上の部分ベンドの下部分(ヒール)をバイスで固定してください。
これは、ピューパフライをタイイングするときの止め方。
これはドライフライのフライをタイイングするときの止め方です。
それと、ボビンスレッダーの硬さを、調整してください。
ボビンを両サイドから押さえている金属の部分を広げ、スレッドをフックに止めボビンスレッダーから手を離しても落ちないギリギリの柔らかさにしておくとスムーズにタイイングができます。