kencube


2012年 以前池の一部をお借りしていた養鱒場を運営することになり、鱒の養殖を開始いたします。

KenCube 養鱒場


 

第11章

稚魚を寄付放流

 総数 4,500匹 放流

 


2012年  6月 20日 追筆

第1回目 4/19  2,500匹の稚魚を寄付放流

第2回目 6/1  1,000匹の稚魚を寄付放流

第3回目 6/15  1,000匹の稚魚を寄付放流


2012年  4月 19日  水温 13.5度  孵化114日目

 

朝、4時、夜明け前の暗いうちから

車の中にある水槽へ、水中ポンプで300Lの水を積み込む!

空が明るくなり始めた頃、水槽の水はいっぱいになり稚魚を運び入れるために酸素ボンベ、エアーレーションをスイッチを入れた。

酸素ボンベのコックを回し、細かい泡が数多くでるように、泡の大きさの調整をして微量の酸素を出す。

そして、エアーポンプで大量の空気を送り水の流れを作り、過酸素にならないようにするのです。

しかし、エーアポンプが、直ぐに停止してしまうのです?

ハイエースに付属している100Vコンセントにエアーポンプを差し込んでいるのですがこれが不良なのか?

ポンプのホースを外しスイッチを入れると正常に動くのですが、ホースをつなぐと電源が切れてしまうのです。

こんな時に、こんなことが起きるなんて・・・

焦っていた。

 

前日のテストでは正常に動いていたのに、なぜ?

 

養殖池で使用しているポンプを外し、車のポンプと交換してみるが、全く同じことが起きた。

ということは、ポンプに問題があるのではなく、車の電源に問題がある。

 

急いで車の仕様書を読むと、100Vコンセントは 100w以下の使用で、使い物にならないことが判明

テスト段階でホースをつないだ時は、水が入っていなく泡の吹き出し口に水の負荷が掛かっていないので弱い消費電力でポンプは動いたのですが

水槽に水が入り、エアーの吹き出し口に負荷が掛かったことにより消費電力は多くなり、使用電力オーバーでスイッチが切れていたことが判明

慌てて、活魚トラックから、12Vを100Vに変換するインバーターを外して、ハイエースにセットしエアーポンプをつないでみると、

ようやく正常に作動した。

 

突然のトラブルに、動揺しながらも、冷静な判断ができ、トラブルを回避

気がつけば、夜は明けていた「急いで魚を運ばなければ・・・・」

 

放流する川へは 片道300km弱、3時間半は時間が掛かる。

水中ポンプで水を吸い出す ハイエースの中の水槽へ水を入れる

急いで養殖池に入り、ユウタロウと二人で魚を水槽へ入れる!

1匹平均4gの稚魚 約2,500匹を積み込んだ。

 

急なトラブルで予定時間は遅れ、朝6時半近くになってしまっていた。

 

出発!

高速道路で2時間半

それから山越えで1時間

途中で止まって稚魚の様子を見ながらの移動。

 

途中の峠に雪があるので、その雪を水槽に入れ、水温を低下させた。

鱒たちが入っている水槽の水温は14度

放流する川の水温は、7度前後

温度差があるので、雪で水温を下げることにした。

 

午前9時、放流地点に到着

1カ所に放流するのはよくない

鳥や大型魚、そしてお持ち帰りの餌釣り師に発見されたら危険ですので、3カ所に分けて放流!

水と稚魚をグリーンの大型バケツに入れ、河原まで運び放流

川に放すと、元気よく深みへ泳いでいった!

 

大きくなれ! 元気で育てよ!

 

そして、俺たちのフライのみ食べ、もう一度会いに来てくれ!

 

他の奴らには釣られるな!!

お父さんの顔を覚えておけよ・・・!

 

そう勝手な意見のみ言いながら、稚魚たちが流れに消えていくのを見送った。

 

1匹も死なせることなく、全ての稚魚が無事に放流出来たことが嬉しかった。

 

疲れた〜!

 

放流が終わったときふと思った。

300kmも離れた場所に、なぜ俺たちがここまでしなければならないのか・・・

 

 

 

誰かがやらなければ、何も始まらない。

 

釣ることだけを考えていたら、そんな楽しいことはないが、それでは、魚はいなくなってしまう。

よい釣り場は、釣り人が作らなければならないのです。

 

この放流活動は、これから5年は続けていきたいですね!

 

5年すれば、あの稚魚たちは大型魚になる。

 

皆殺しにされずに無事に育ってくれるだろうか?

大きくなった姿を見ることが出来るだろうか?

 

皆殺しの釣り人達に見つからないことを祈ります。


寄付放流 2回目

6月1日

さらに鱒は大きくなり、10cm近くにまで育ちました。

これらは、今シーズン1回目に購入した発眼卵から育てた魚で

2回目に購入した卵の子供達はかなり小さく

水槽を空にして、2回目の子供達を育てるために、水槽の鱒全てを放流しました。

この場所へ、2回目の発眼卵から育てた稚魚を入れるつもりますが

まだ2cm前後で、育っておりません。

前回と同じ場所に放流

 

お持ち帰りの釣り人に殺されないことを祈ります。

 

この放流の後、放流ポイントの数キロ下流で、釣りをしたのですが、夕まずめにヒット!

58cmの素晴らしいレインボーでした!

この鱒も写真を撮り即放流!

来年には60cmを楽に越えてくるでしょう!

 

放流した稚魚たちも、この鱒のように大きく育ってくれることを祈ります。

 

 

リリースをする釣り人が増えれば、70cmになるのはそう難しいことではありません。

殺して食べても海の魚ほど美味しいわけではなく、次回釣った方がどれくらい興奮するのか考えて欲しいものです。

 

最高級のマグロのトロ、最高級のステーキこれらの高級食材は

1〜2万円のお金を出せば、いつでも、どれだけでも食べられます。

 

このニジマスを釣るために、高速道路代金、ガソリン代、食費、釣具代金・・・そして、時間

1〜2万円のお金を出しても、このサイズはなかなか釣れません。

ヒットしたときのドキドキ感はお金では買えないものです。

 

たいして美味しくない鱒を、自慢するために持って帰るならば

生の魚で見せ自慢出来る人の数は少ない。死んだ魚の写真を見せても身持ちの良いものではない。

自慢がしたいならば、生きている鱒の写真を見せ、

逃がしたから今はさらに大きくなっている事を伝えた方が、どれだけカッコイイか!

写真ならば、いつまでも多くの方に見せられ、自慢出来ます。

さらに逃がしたならもっと格好良くいられます。

 

お金では買えないドキドキを、さらにもう一度さらに強烈にして味わうには、

生きているときに写真を撮り、川で育てておくことが合理的なのです。

大きな魚は少ないのです。

 

 

魚がいない川 魚が少ない川 = 遊べない川

これが現状ではないでしょうか?

日釣り券は1日1,000円

1,000円で1日遊べるならば、安上がりで最高ですが、

1,000円払っても全く釣れない川が多すぎます。

高速代金、ガソリン代、食費、宿泊費・・・

1日もしくは2日に掛ける費用は、2〜3万円

この金額なら、どれだけ美味しいものが食べられるか?

 

1,000円で、魚の少ない川を指導する各県の水産課

1日3,000円でも5,000円でも、遊べる川ならば掛けた費用は無駄にならないものです。

 

1,000円の安かろう悪かろう これを基本としている事では、これからの渓流は期待できないでしょう。

 

誰かが放流しなければ・・・

(寄付を受けてくれる漁協が少なく勝手に放流出来ないので難しいことです)

 


第3回目 6/15  1,000匹の稚魚を寄付放流

6月中過ぎになり、水温も上昇してきたために、トラウトポンドへ放流する稚魚を残し

残りの鱒 1,000匹を、前回と同様、放流しました。

全長は4cm前後 育ちが悪く、ウグイなどに食べられないか?心配でした。

来年は、11月に卵を仕入れ、早く大きくして放流する予定です。

 


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